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聴こえのしくみ

音のきこえ方

音が伝わる仕組み

ヒトの耳の中は正面から見て、上の図のようになっています。
音は空気の振動によって伝わります。外から音が届き、外耳で音を拾い集めます。
集音された音は、耳の穴(外耳道)を通り、鼓膜に振動として伝わります。
その振動は鼓膜に付いている耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)を震わせます。
アブミ骨まで振動が伝わると、蝸牛内部のリンパ液を揺らし、片耳約15,000個の有毛細胞を刺激します。
有毛細胞によって、リンパ液の振動が電気信号に変換され、聴神経を伝わり、脳に送られます。
脳はこの電気信号を、分析し、認識します。ここで、今までの記憶や言語と照合され、理解されます。

難聴のタイプ

難聴は大きく3つのタイプに分けられます。

感音性難聴「音を感じるところ」の障害
中耳からの音の振動を電気信号に変換する内耳、その信号を脳の中枢に伝える聴神経あるいは、脳に生じた障害のために起こる難聴です。加齢による難聴も感音性難聴の一種です。内耳、聴神経、脳は届いた音を分析し、脳と共同で「聴きたい音」や「聴きたくない音」など意思を含めた処理が行われます。これらの機能の障害による難聴は、音を増幅して伝えるだけではうまく聴こえませんので、補聴器も音質や音の出し方を細かく調整しなくてはなりません。
難聴は大きく3つのタイプに分けられます。

伝音声難聴「音を伝えるところ」の障害
中耳炎等で鼓膜に穴があいたり、耳小骨(鼓膜と内耳をつなぐ小さな骨)の動きが悪くなるなど、音を内耳に伝える外耳および、中耳の部分に障害が生じる為に起こる難聴です。音が伝わりにくくなっただけなので、補聴器で音を増幅して伝えれば、比較的よく聴こえるようになります。

混合性難聴「音を伝えるところと感じるところ」の障害
伝音性難聴と感音性難聴の両方の原因をもつ難聴です。

難聴の種類

まさか自分が難聴になるなんて、、、


図のようにある研究*では、
70歳以上で半数、75歳以上の約7割、80歳以上の約8割の方に
難聴があると言われています。
 
個人差はありますが、誰しもに起こり得ることなのです。
 
 

*内田育恵、杉浦彩子、中島務、安藤富士子、下方浩史 全国高齢難聴者数推計と10年後の年齢別難聴発症率 ―老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)より― 日本老年医学会誌 49号 pp222-227 2012.3.

**25dB以上の難聴

加齢性(老人性)難聴

上の図は、4つの年齢層で起こる聴力低下を平均で表したものです。
縦軸は音の大きさ(下が大きい音、上が小さい音)、横軸は音の高さ(右がキーンと高い音、左がゴーと低い音)を表します。個人差はありますが、人は誰でも加齢とともに聴力が衰え高い音から徐々に聴こえにくくなり、周囲に雑音があると、さらにことばの聴きとりが難しくなります。聴力低下は20~30代から始まり、高い音から、年数をかけて徐々に進みます。少しずつしか低下しないため、ほとんど生活に支障なく過ごせます。
 
しかし、50歳ごろ(平均)になると難聴と言われる程度まで聴力低下が進んできます。
高い音が聞きにくくなると、ことばが聞き分けにくくなり(7時?1時?、加藤さん?佐藤さん?)、聞き間違えてしまうことがあるかと思います。。
また、加齢性難聴は、徐々に少しずつ聞こえにくくなるため、ご本人では自覚しにくく、周りから指摘されて初めて気づかれる方が多いと言われています。
何らかの原因で有毛細胞や聴神経が衰えてしまうことで、ことばの明瞭さが低下してしまうと言われています。
しかし、補聴器できちんと脳に音を届けてあげることで、会話を理解する力は保たれると考えられます。
きこえないから諦めてしまうのではなく、
一人ひとりにあった補聴器で「しっかり聴く」ことが大切です。

耳垢塞栓(栓塞)

耳の断面図を見てわかる通り、音は耳のいくつもある小さな部品を通って伝えられます。
その中でも、意外といらっしゃるのが、「耳垢」が原因で聞こえにくくなる方です。
耳の穴(外耳道)に、耳垢が詰まってしまい、音が聞こえにくくなる難聴です。
年齢とともに、耳垢を排出する力が弱まり、詰まりやすくなると言われています。
この場合は、補聴器ではなく、耳鼻科で耳垢を取ってもらえば改善されます。
聞こえにくいと感じたら、まずは耳鼻科で耳垢が詰まっていないかも含めて受診することをおすすめします。

中耳炎

鼓膜の奥には、中耳腔という部屋があります。ここは耳管を通して鼻に繋がっており、ここで炎症が起きると痛みの出る「急性中耳炎」となります。
他にも、中耳炎後などで液体が溜まってしまい「滲出性中耳炎」という状態になることもあります。どちらも伝音性難聴を引き起こし、聞こえにくくなることがあります。
特に滲出性中耳炎は痛みなどの自覚症状がないため、聞こえにくいと思って耳鼻科に行ったら、実は滲出性中耳炎だったというようなこともあります。
この場合は、お薬や治療で改善することがありますので、きちんと耳鼻科を受診し、治療が可能な難聴なのか調べてもらいましょう。
 
 

突発性難聴

原因不明で起こる急性の感音性難聴のことで、徐々に進行する加齢性難聴とは異なり、片側が、ある日突然聞こえなくなってしまう難聴です。
強い耳鳴りを伴うこともあり、最悪の場合、片耳が全く聞こえなくなってしまいます。(耳鳴りを伴わないこともあります。)
この場合は、早期の治療で改善することがありますので、
 
すぐに耳鼻科を受診しましょう。
発症から時間が経ってしまうと、治療の効果が下がってしまうと言われています。
 
 
 
 

お家で簡単!聞こえのチェック

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